京都は平坦なのに坂がある?3コーナーの起伏と「直線平坦」を分けて読む
「この馬は平坦の京都が合いそう」。そんな説明を読んだあとに、京都名物の「淀の坂」を思い出すと、少し引っかかりませんか。平坦なのか、坂があるのか、どちらなのでしょう。
答えは、最後の直線は平坦でも、その手前に上り坂と下り坂があるということです。「直線に坂がない」と「レース中に坂を通らない」は、別の話。ここを分けると、コースの説明を馬の適性へつなげる前に、確認したい場所がはっきりします。
今回は京都の芝コースに絞り、坂を通る順番と、内回り・外回りの違いを読みます。特定の馬を買う結論ではなく、予想の土台になる地形の読み方です。
「平坦」は、コースのどの部分を指している?
まず、京都のゴール前の直線を思い浮かべてください。そこだけを見れば、最後に大きな上り坂を越える構造ではありません。ところが、馬たちは直線へ出る前に、3コーナー付近の起伏を通ってきます。
JRAの公式コース紹介では、向正面の途中から3コーナーにかけて上り、4コーナーにかけて下る形が示されています。向正面は、スタンド前の直線と反対側にある直線部分のことです。JRA「京都競馬場・コース紹介」
つまり、「京都は平坦」という短い言葉から、全周がまっすぐ水平なコースを想像すると、直線より前の条件を落としてしまいます。
「どこが平坦なのか」を一言足す。 それだけでも、コースの説明はかなり正確になります。「直線は平坦。ただし、その前に坂を上って下る」と覚えると、二つの特徴を矛盾なく持てます。
上る→下る→直線へ。走る順に並べる
京都の坂を読むときは、高低差の数字を最初に暗記するより、走っていく順番をつかむほうが分かりやすくなります。
- 向正面から3コーナーへ:上り。 直線の入口へ向かう前に、高い場所へ進みます。
- 3コーナー付近から4コーナーへ:下り。 上った先で、今度は低い場所へ戻ります。
- 4コーナーを出たあと:平坦な直線。 最後の直線へ入った時点では、坂の上り下りはすでに通過しています。

上の図は走る順を整理した模式図です。曲がり方や区間の長さを、実際と同じ縮尺で再現したものではありません。位置を詳しく確かめるときは、公式の平面図と高低断面図を組み合わせてください。
平面図は「どこを曲がるか」を、高低断面図は「どこで上り下りするか」を教えてくれます。同じコーナー名を両方の図で探すと、二つの情報がつながります。
ここで一度、確認です。京都で最後の直線だけを見た場合、坂を下るときの走りまで見たことになるでしょうか。答えは、なりません。直線での伸びが気になったなら、その直前の4コーナー、さらに坂の区間へと映像を戻して確かめる余地があります。
内回り3.1m、外回り4.3m。「京都」でひとまとめにしない
京都の芝には内回りと外回りがあり、JRAのコースデータに記載された高低差は次のとおりです。
- 内回り:3.1m
- 外回り:4.3m
ここでの高低差は、コース内の最も高い地点と最も低い地点の高さの差です。坂道を走る距離や、坂の角度を表す数字ではありません。同じ「京都の坂」でも、どちらの回りを使うかまで確認する必要があります。数値の出典:JRA・京都コースデータ
ただし、4.3mという値だけから「外回りのほうが必ず消耗する」「坂に強い馬を選べばよい」とは決められません。高さの差が分かっても、そこでどのくらいの速さで走ったか、周囲の馬に合わせて動いたかまでは分からないからです。
数字を使う目的は、馬の優劣を一発で決めることではありません。同じ名前の競馬場でも、今回走る経路を区別することにあります。
たとえば、過去成績の「京都で好走」を今回の予想に使う場面を考えてみます。まず確認するのは、その好走が内回りだったのか、外回りだったのか。次に今回の距離と経路を確認する。「京都が得意」という大きなくくりから、どの条件で走った実績なのかへ読み進められます。
坂の位置は分かる。馬への評価は、もう一段先
コース図から確認できるのは地形です。一方、「この馬は坂を苦にしない」「下りでうまく加速できる」は、その馬の走りについての評価です。この二つを同じメモ欄に混ぜないようにします。
たとえば、「京都は直線が平坦だから、前走の坂で失速した馬が巻き返すはず」という説明。ここには、少なくとも二つ、確かめたい点があります。
一つ目は、本当に前走の失速を坂だけで説明できるのか。 直前に長く脚を使っていたり、相手が加速したことで離されたりした可能性もあります。ゴール前の着順だけでは、そのどれかを選べません。
二つ目は、今回は坂を全く通らないのか。 京都は最後の直線が平坦でも、その前には上り下りがあります。「ゴール前の上りがなくなる」という条件の変化と、「起伏がなくなる」という説明は一致しません。
だから、比較の言葉も少し変えてみます。
「京都なら坂がないので大丈夫」ではなく、「今回は直線に上り坂がない。3〜4コーナーの上り下りを含め、過去の走りと照らしてみる」。
この書き方なら、分かった地形と、これから確かめる馬の反応が分かれます。どの馬を高く評価するかを、コース名だけで先に決めずに済みます。
次の予想で使う、3行のコースメモ
出馬表と公式コース図を開いたら、最初に次の3行を埋めてみてください。
- 今回の経路: 京都芝、距離、内回りか外回りか。
- 起伏の順: 向正面から3コーナーへ上る→4コーナーへ下る→平坦な直線。
- 過去走で確認する場面: 坂の手前、上り下り、直線入口で、気になる馬の位置や周囲との間隔がどう変わったか。
最後の行は「坂をこなせるか」という印象だけで終えず、映像のどこへ戻るかまで決めるためのものです。まだ映像を見ていなければ、空欄のままで構いません。地形を知ったことと、馬の動きを確認したことは別に残します。
たとえば「4コーナーでは前から4番手だった」という記録だけでは、先頭からどれほど離れていたかは分かりません。区間ごとの位置を読む際は、順位に加えて前との間隔も見たいところです。この違いは「同じ4番手でも先頭は遠い?」で図解しています。
京都の「平坦」と「坂」は、どちらかを捨てて覚える必要はありません。直線と、その前の起伏をそれぞれの場所に置く。その地図を持って過去の走りを見直せば、「京都向き」という評価の中身を、以前より具体的に確かめられます。
参考資料
- JRA「京都競馬場・コース紹介」:芝の平面図、高低断面図、内回り・外回りの高低差を確認。
資料確認日:2026年9月22日。コースの形状・数値は公表資料、比較の問いとメモの手順は競馬大学による整理です。
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