調教欄が空白なら、その日は休み?時計に載らない調整の読み方
気になる馬の調教欄を見ると、水曜には時計があるのに、木曜の記載がありません。「追い切った翌日は、何もしなかったのかな」と考えたくなります。
時計の記載がないだけでは、その日が休みだったとは分かりません。 馬の調整には、負荷をかけて走る追い切りのほかに、歩くなどの軽い運動もあるからです。ただし、空欄を見て「軽い運動をしたはず」と埋めることもできません。
まず、手元の調教欄が何を載せているかを確かめると、日付の間隔を落ち着いて読めます。
調教欄は、一日の全行動を記した日誌ではない
JRAの『ビギナーズ・ブック2026』は、新聞の調教欄を読む説明の中で、負荷をかける「追い切り」が掲載されることと、掲載されない日にも運動があることを示しています。[出典1]
たとえば、引き綱を持った人が馬を歩かせる「曳き運動(ひきうんどう)」も、馬に必要な運動の一つです。JRAの用語辞典では、乗り運動やコースでの調教の前後に行うものとして説明されています。[出典2]
つまり、「この欄に時計がある日」と「馬が体を動かした日」は、同じ範囲とは限りません。 時計が見える部分だけをつないでも、その馬の生活全体にはならないのです。

新聞やサービスを見るときは、「どの期間の、どんな調教を載せている欄か」を先に確認しましょう。今回はJRAが紹介する新聞形式の調教欄の考え方を扱っており、すべてのサービスが同じ掲載基準とは限りません。
負荷をかける日と、軽く動かす日がある
時計が並ぶ欄では、速く走った場面が目に入りやすくなります。でも、レースへ向けた調整は、それだけでできているわけではありません。
JRAの資料にある一週間の例では、水曜に追い切りで負荷をかけた場合、木曜は歩くなどの軽い運動で体を整えます。強く動かす日と、その後に軽く動かす日を組み合わせているのです。[出典1]
これは全馬共通の曜日表ではありません。「時計がなくても運動している場合がある」という理由は分かっても、目の前の一頭の木曜の内容までは分からない。 ここを分けると、空欄を悪材料にも好材料にも決めつけずに済みます。
例:水曜に時計があり、木曜が空欄のA馬
A馬について、手元に次の情報だけがあるとします。
- 水曜:追い切りの時計が掲載されている。
- 木曜:その調教欄には記載がない。
最初に言えるのは、「水曜の追い切り時計が載っている。木曜の内容は、この欄からは分からない」というところまでです。「木曜は休み」「木曜も順調に運動した」のどちらも、まだ付け足せません。
次に、その馬の日付付きの近況や厩舎コメントを探します。見るのは、記事の更新日だけでなく、運動を行った日と対象の馬です。
同じA馬について「木曜は曳き運動」と確認できたら、メモは「水曜は追い切り、木曜は歩く運動」と具体的になります。時計の空欄を、別の情報で一つ確認できたわけです。
それでも、歩いた距離や時間が書かれていなければ、運動量の多い・少ないまでは比べられません。近況が見つからなければ、「木曜の内容は不明」のままにします。分かった範囲を越えて、仕上がりの良し悪しへ飛ばないことが大切です。
次に空欄を見つけたら、この順に確かめる
- 掲載範囲を見る。 何日分の、どんな調教を載せている欄かを確認する。
- 同じ馬・同じ実施日の近況を探す。 更新日と運動日を取り違えない。
- 確認できたことを一行にする。 内容が分からない日は、推測で埋めない。
空欄は「休んだ」という記録ではありません。時計と近況を分けて読めば、知っていることと、まだ確かめたいことが見えてきます。
時計が載っている日の読み方は、関連記事「馬なりは、ゆっくり走ること?調教の「時計」と「追い方」を分けて読む」で、時計と追い方を組み合わせる手順を説明しています。
参考資料
- 出典1:JRA『ビギナーズ・ブック2026』(15–16ページ、調教欄と一週間のトレーニング)
- 出典2:JRA 競馬用語辞典「調教関係」(「追い切り」「曳き運動」)
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