同じピンク帽なのに別の馬?枠番と馬番の読み分け
中継で、ピンクの帽子を目印に一頭を追っていた。ところが、近くにもう一人、ピンク帽の騎手がいる。ゼッケンを見ると、こちらは17番、あちらは18番。色が同じなのに、なぜ番号が違うのでしょうか。
JRAでは、帽子の基本色は「枠番」、ゼッケンの数字は「馬番」を表します。一つの枠に複数の馬が入るため、同じ帽色の馬がいるのです。 色で大まかに探し、番号で一頭を確かめる。この二段階に分けると、出馬表と中継のつながりが分かります。
馬番は一頭ずつ、枠番はそのまとまり
馬番は、そのレースに出走する馬一頭ずつにつける番号です。鞍の下に敷かれたゼッケンには、競走時の馬番と馬名が印字されています。馬番は、馬が生涯使い続ける背番号ではありません。JRA「馬番」・「ゼッケン」
一方の枠番は、出走馬をまとめる区分です。たとえば、出馬表の「8枠17番」は、8番と17番という二頭を指しているわけではありません。「8枠に入っている、馬番17の一頭」という読み方です。
18頭のレースの例で、8枠を見ると、馬番16・17・18の三頭が入ります。三頭とも枠番は8ですが、馬番は一頭ずつ違います。この対応は、18頭が出走したJRA公式の日本ダービー結果表(2025年)でも、枠と馬番の欄を並べて確認できます。

「同じ枠」は、二頭や三頭が一つの発走ゲートに一緒に入る、という意味でもありません。出馬表の区分と、馬が一頭ずつ入るゲートの区画を混同しないようにしましょう。ゲートへ入る順番はまた別の話で、「並ぶ場所」と「入る順番」の違いで説明しています。
帽子は枠の色。ゼッケンの地色とは別
JRAの帽子の基本色は、次の対応です。
- 1枠は白、2枠は黒、3枠は赤、4枠は青。
- 5枠は黄、6枠は緑、7枠は橙、8枠は桃。
中継で「ピンクの帽子」と呼ばれる色は、この8枠の桃色です。18頭の例なら、16番・17番・18番の騎手が桃色を基本にした帽子をかぶります。「ピンクだから17番」とは、一頭に決められません。JRA「2026年競馬番組一般事項・別定重量等」PDF25ページ「帽」
ここで紛らわしいのが、ゼッケンそのものの色です。枠の色を見る場所は騎手の帽子。馬番を読む場所はゼッケンの数字です。 ゼッケンの地色は競走の種類によって異なり、帽子と同じ色になる決まりではありません。JRA「ゼッケン」
また、ここで扱っているのはJRAの競走です。別の競走体系や海外の映像へ、そのまま当てはめる説明にはしていません。
例:17番を追うなら、色の次に数字を見る
18頭のレースで、出馬表の「8枠17番・B馬」を観戦するとします。8枠には16番のA馬、17番のB馬、18番のC馬が並んでいます。
まず発走前に、出馬表でB馬の枠番8・馬番17を確認します。次に、パドックや本馬場の映像で、桃色の帽子とゼッケンの17を同じ一頭に結び付けます。このとき騎手の上着も見ておくと、数字が隠れた場面で探す手掛かりが増えます。
レース中、桃色の帽子が二つ並んで映ったとします。手前の馬のゼッケンには18と見えた。奥の馬は、他の馬に隠れて数字が読めない。
ここまでで言えるのは、「手前は18番で、探している17番とは違う」ということです。奥の馬については、帽色だけでは17番か16番か決まりません。「18番でない方だから17番」と埋めてしまうと、同じ8枠にもう一頭いることを見落とします。
そこで次に確かめるのは、奥の馬のゼッケンが見える場面です。画面の切替えやリプレイで17と読めたら、出馬表のB馬と対応します。最後まで読めなければ、その場面のメモは「桃色の帽子、馬番は未確認」のまま残せます。

これは、見分けられなかった自分を採点するための手順ではありません。後から「17番が外へ動いた」と振り返るとき、その17番を本当に確認していたかをたどれるようにする方法です。
同じ勝負服なら、帽子に模様が入ることも
勝負服と帽子の見分け方
騎手の上着である勝負服は、JRAでは基本的に馬主が登録するものです。したがって、「同じ服を着ているから同じ騎手」とも限りません。JRA「馬主の特典・楽しみ」
同じ枠の中で同一の勝負服を使う馬が複数いる場合には、見分けるために帽子を染め分ける規定があります。たとえば8枠には、桃色のほか、桃と白を四つや八つに分けた帽色が用意されています。使用順序には規定があり、馬場取締委員が特に認める場合の変更もあります。JRA「2026年競馬番組一般事項・別定重量等」PDF25ページ
そのため、「8枠なら、どの騎手も全面が同じ無地のピンク」と覚えるより、枠の基本色に加え、当日の帽子と勝負服、馬番を一緒に確認する方が確かです。模様だけを見て馬番を暗記する必要はありません。
次の中継では、一頭を「枠・馬番・名前」でつなぐ
出馬表を開いたら、見たい一頭について「8枠・17番・B馬」のように読んでみてください。そして発走前の映像で、帽子とゼッケンの数字を確かめます。
レース中の色は、目当ての馬を探す入口です。同じ色が複数見えたら、数字と勝負服へ視線を移す。番号が見えなかった場面は、見えなかったまま残す。色のまとまりと一頭の番号を分けるだけで、中継を振り返るときの取り違えを減らせます。
参考資料
- JRA「馬番」:馬番の定義と枠番との違い。
- JRA「ゼッケン」:馬番・馬名の表示と競走の種類による色の違い。
- JRA「2025年 日本ダービー」:18頭のレースで、8枠と馬番16・17・18の対応を確認。
- JRA「2026年競馬番組一般事項・別定重量等」:PDF25ページの帽色と、同一枠・同一服色の場合の染分け。
- JRA「馬主の特典・楽しみ」:馬主が登録する勝負服。
資料確認日:2026年9月29日。
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