トモはお尻だけ?横と後ろから読む、馬体の見え方
パドックの解説で「トモ」という言葉を聞き、馬のお尻に目を向ける。けれど、どこまでがトモなのか、横から見るのと後ろから見るのでは何が違うのか、迷うことはありませんか。
トモは、お尻だけでなく、腰・お尻・後ろ脚を含む馬体の後ろ側を指す言葉です。 まずこの範囲を押さえ、横からは腰からお尻へ続く輪郭、後ろからは左右の幅を見る、と分けると観察する場所が定まります。
同じ馬でも向きが変われば、見える形は変わります。「大きく見えた」をすぐに評価へ変える前に、どの方向から、どこを見たのかをそろえてみましょう。
トモは「腰・お尻・後ろ脚」のまとまり
JRAの競馬用語辞典は、「とも」を馬体の後躯、つまり腰部・臀部・後肢を指す用語としています。臀部はお尻、後肢は後ろ脚のことです。
横向きの馬を見たら、背中の後ろに続く腰、その後ろのお尻、そこから下へ続く後ろ脚へと目を移してみてください。お尻の丸い部分だけを切り取るより、トモの位置をつかみやすくなります。
ここで覚えたいのは、「トモ」という一語が、一つの筋肉や、お尻の横幅だけを表しているわけではないということです。「トモが大きい」と聞いても、輪郭を見ているのか、後ろからの幅を見ているのかで、注目する箇所が異なります。
横からは輪郭、後ろからは左右の幅
馬が横を向いているときは、腰からお尻へ、体の線がどう続いているかを追えます。後ろ脚が体のどこから下へ続くかも、位置関係として確かめられます。
一方、馬が後ろを向くと、左右のお尻を同じ画面の中で見られます。ここで見ているのは、横からの輪郭とは別の、左右方向の幅です。尾に隠れる部分もあるので、見えないところを補って決めつけず、見える外側の輪郭をたどります。
横の輪郭と、後ろの幅は、同じものを別の名前で呼んでいるのではありません。 見る方向によって、立体の違う面が見えているのです。

例:A馬が横を向き、そのあと後ろを向いたら
パドックでA馬が横を向いたとき、腰からお尻へ続く線を目で追えたとします。ここでは「横から、腰とお尻の輪郭を見た」とメモします。
そのあとA馬が曲がり、こちらに後ろを向けました。今度は、お尻の左右の幅が目に入ります。「さっきより幅広く見える」と感じても、最初に見ていたのは横の輪郭です。向きの違う二つの見え方だけでは、トモそのものが変わったとは言えません。
この場面で残すメモは、「横から見た輪郭」と「後ろから見た幅」の二つです。「横より後ろのほうが大きいから、良いトモ」と一つの評価へまとめると、違う方向の情報を混ぜてしまいます。
では、次の周回で何を確かめるのでしょうか。A馬が再び横を向いたら、先ほどの横向きと見比べます。できるだけ同じ立ち位置から、馬の向きと脚の置き方が近い場面を選びます。斜め向きになっていたり、片方の後ろ脚が隠れていたりするなら、その違いもメモに添えます。
この手順でそろえられるのは、見え方の条件です。輪郭や幅を見ただけで筋肉量、当日の調子、走る能力まで決められるわけではありません。まずは「何が見えたか」を、評価の前に言葉にする練習に使えます。
次のパドックでは、一頭を二つの方向から
気になる一頭について、次の順に試してみてください。現地では観客用の場所から、映像では映った範囲で観察します。
- 位置を探す。 横を向いた場面で、腰→お尻→後ろ脚の順に目を移す。
- 方向を分けて書く。 「横:腰からお尻の輪郭」「後ろ:左右の幅」と、見た箇所を別々に残す。
- 同じ条件で確かめる。 次の周回では同じ方向・近い姿勢の場面を探し、隠れて見えない箇所はそのまま記す。
最初から「良いトモ」を当てようとしなくて大丈夫です。腰・お尻・後ろ脚のどこを、どの方向から見ているのか。それを説明できると、パドックの解説で注目すべき場所も追いやすくなります。
参考資料
- JRA 競馬用語辞典「とも」:後躯に含まれる部位の定義。
- JRA サラブレッド講座「馬体の名称」:腰・尻などの位置の確認。
資料確認日:2026年10月25日
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