馬体・走法

馬の身長は耳まで?「体高」を測る位置

馬の身長は耳まで?「体高」を測る位置

横に並ぶ2頭の馬。一方が頭を高く上げると、もう一方より「背が高い」と感じることがあります。けれど、馬の紹介に書かれる「体高160cm」は、耳の先までの高さではありません。

体高は、地面から「き甲(きこう)」の頂点までの垂直な距離です。 き甲は、首の付け根から背中へつながる部分にある高まり。頭のてっぺんを基準にしないので、まず「どの部分までの高さなのか」を分けると、数字の意味がつかめます。

体高の上端は、首と背中の境目にある

横から馬を見ると、首の後ろ側が背中へ移るところに、少し盛り上がった部分があります。そこがき甲です。たてがみの毛先や耳の先ではなく、体のこの部分を基準にします。

JRAの用語辞典は、体高をき甲の頂点と地表との垂直距離と定義しています。『ウマミニ百科』でも、首の付け根にあるき甲から地面までを測ると説明しています。JRA「体高」/JRA『ウマミニ百科』

体高は、地面から首の付け根にあるき甲の頂点までの垂直な距離。馬の横姿と測る位置を示す図。

図の縦の線が体高です。首の傾きに沿って斜めに測る長さでも、頭から尾までの長さでもありません。「体高160cm」なら、この縦の距離が160cmという意味です。

どちらも160cmでも、耳の高さは違って見える

例えば、測定記録の体高がどちらも160cmのA馬とB馬がいるとします。A馬は頭を高めに上げ、B馬は少し低めに構えています。

測定記録の体高がともに160cmのA馬とB馬。耳の位置は違っても、図の体高の基準は両方ともき甲。

最初に目に入りやすいのはA馬の高い耳です。しかし、耳の位置だけから「A馬の体高のほうが高い」とは言えません。この例で同じと分かっているのは、記録された体高です。見た目の上端とは、比べている場所が違います。

ここで「頭を動かしても、測定値は絶対に変わらない」と受け取るのも早計です。実際に測るときには、立ち方や頭の姿勢、地面などの条件を整える必要があります。図は測る位置を比べるためのもので、写真から正確なcmを読み取る方法ではありません。

次に確認するのは、耳ではなくき甲の位置。そして数値が必要なら、体高の測定記録です。2頭の数字を比べるときも、同じような姿勢・地面・測り方で得られた値か、記録の条件を確かめます。

測る場所に加えて、姿勢と地面もそろえる

き甲の場所が分かっていても、坂に立つ馬と平らな場所の馬をそのまま比べると、高さの基準がそろいません。脚を大きく開いた姿勢や、首を不自然に伸ばした姿勢にも注意が必要です。

アイオワ州立大学の馬の測定手順では、平らな場所で、四肢に均等に体重をかけた自然な姿勢を取り、測定器を地面に垂直に置くとしています。上側の横棒をき甲の最も高い部分に合わせることで、地面からの高さを読みます。Iowa State University Extension「Measurement Procedure for Horses and Ponies」

押さえたいのは、次の3点です。

  • 場所:平らな地面を基準にする。
  • 姿勢:馬が自然に、四肢でバランスよく立っている。
  • 測り方:き甲までの高さを、垂直に置いた測定器で読む。

これらは、見た印象を数値に置き換えるための条件です。JRA日高育成牧場の解説も、人と並べて高さを見積もることと、正式な測定器で測ることを区別しています。JRA「馬のサイズ」末尾の体高の推定法

次に馬を見るときは、耳からき甲へ視線を移す

横向きの全身が見える場面で、まず首と背中の境目を探してみてください。「耳が高い」と「き甲までが高い」は、別の観察だと分かります。

映像ではカメラまでの距離や角度もそろわないため、画面の中で大きく見えたことだけを体高の差にはできません。正確な高さが知りたいときは、見た目でcmを決めず、測定記録に戻ります。

また、体高のcmと、馬体重のkgは別の数値です。 体高は高さ、馬体重は重さを表します。今回のA馬・B馬も、体高が同じというだけで重さまで同じとは分かりません。

「馬の身長はどこまで?」と迷ったら、地面からき甲へ一本の縦線を思い浮かべる。そこを起点にすると、見た印象と測られた数値を分けて読む手がかりになります。

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